
草刈りって、草が伸びてきたら刈るだけでしょ?
私もそんな認識でした。栗農家になって5年間ぐらいは。
しかも、私の栗園は中山間地で斜面だらけ。
合計5ヘクタールの栗園のうち、
平地を自走式の草刈り機で7日間、
幹周りと斜面を刈払機で14日間、
全面刈るのに丸3週間かかります。
単純計算で、
人件費が、時給900円×7時間✕21日間=132,300円
草刈り機の燃料代が、150円×10ℓ✕21日間=31,500円
1回の草刈りで約16万円かかります。
これを5~10月の間に4回やるので、年間60万円以上の出費。
しかも、草刈り機を酷使していると故障も多くて、修理代、部品代もかさむ…
それ以上に、真夏の炎天下に7時間の草刈りはもう地獄(-_-;)
短期アルバイト雇っても若い子は辛くて辞めちゃうし、
シルバーさんは最初から事務局に断られる…。
「何とか草刈りしないで済ませる、もしくは回数減らす方法ないか」
「でも、除草剤にだけは手を出したくない」
そんなことばかり考えていました。
それが今は、
草刈りをめちゃめちゃ大事な栗の栽培工程ととらています。
もっともっと草が伸びてくれと思うぐらいです(笑)
というのも、
刈り草=有機肥料だと理解できたからです。
10アールあたり、高さ30cmの草を刈ると、
その生草の重さは約1,500kgです。
水分が抜けて乾物になると、1/3の500kg。
その1%の5kgが窒素肥料分として土壌に還元されていると判りました。
それを年間4回刈れば年間20kg。
栗園には10アールあたり、年間20kgの窒素施肥が必要だと言われています。
窒素肥料撒く必要ないじゃん!!!(笑)
「土」編の話で、
私の栗園は9年前に土壌改良を終了して、養分を整えたと書きました。
でも、無肥料栽培期間はここ5年間。
実は、土壌改良後の4年間、窒素肥料だけは撒き続けていたのです。
なぜか?
窒素だけは、マイナスの性質を持つ養分なのです。
土もマイナス。
マイナスとマイナスでくっつかない!
つまり保肥力が通用しないのです。
だから、
「窒素だけは切らしちゃいけない。元肥、追肥、礼肥と年間3回に分けて撒きなさい」
↑
これ、いまだに一部の行政機関等は常識と思っているみたいです(-_-;)
それが最近、
尊敬する長野県の先輩農家さんから刈り草の窒素還元量を数値化で教えて頂きました。
それで5年前。私の完全無肥料栽培がスタートできたのです(^^)v
窒素肥料、投入しなくなっても栗の樹は至って元気です。
今まで無駄に買って撒いていたみたいです(>_<)
草刈りがキツイのは変わりませんけど、
モチベーションが変わりました(笑)
刈り草という粗大有機物が、
どんなに土壌中の生態系を豊かにしてくれているか。
そう思えるだけで作業に意味を持てます。
あっ、クローバーだけは収穫直前まで刈らずに残しています。
うちの栗園、よく四つ葉、五つ葉が見つかるので☆
(2019/9/1作成)
つづく