5月、剪定枝の片付けが終わりと同時に草刈りを始めます。
栗園がスッキリ。有機物還元。栗の根の支配力を高める。
草刈りすればいい事がいっぱい!
のはずが…
この時期たまにショックな光景を目にします。
それが「5年目の春問題」。
毎年この時期、苗木定植後5年目の栗が数本枯れていくのです。
4年間手塩にかけて育ててきて、さあこれからという時に。
栗園の敷地は限られています。
1本の樹あたり約5m四方のスペースで定間隔で栗の樹が並んでいます。
樹が枯れる=5m四方分の収穫量が減るということ。
栗の樹は5,6年ぐらいじっくり育って、
7年目あたりから急成長します。
それが5年目で枯れると、またこの枯れたスペースを埋めるのに5年かかる…
かなりショックです(;_:)
5年目の春に何が起きているのか?
枯れる原因は「凍害」または「霜害」です。
発生の原因として、冬季(1~2月)の気温が上昇し、
樹体の耐凍性が低下したところに春先(3~4月)の寒の戻りで凍害(根から吸った水が樹体内で凍る)を受けます。
今年は2月の平均気温が高かったため、凍害が頻発しているそうです。
成木でも部分的に凍害は受けますが、
特に全枯れするほど被害がひどいのが5年目の樹です。
どうして5年目の樹が集中的に枯れちゃうの?
それは著しく弱っているからです。
桃栗3年柿8年と言われるように、栗は3年目ぐらいから実が成ります。
でも、3年目の樹はまだまだ幼くて根張りも弱いため、
摘果といって、実が大きくなる前に取り除きます。
3年間実を成らさせないで、それなりにたくましくなった4年目。
いよいよ初めての収穫。1本の樹から20個程度の実を産み落とします。
初めての出産。我が子を産み落とすのに、母体は相当な養分を使い果たすようです。
蓄積養分がかなり少ない状態で春を迎えたところで、凍害。。。
抵抗する力が残っていない樹が枯れてしまいます。
私は男で出産、産後の苦しみを知りませんが、
嫁さんは産後の授乳期にひざが痛くなったり、肌がカサカサになったりしていました(>_<)
栗も出産は命がけ。
初出産の直後は吸収しやすい有機肥料を補填するなど産後のケアが必須です。
それでも凍害はなかなか避けられない。
今年から5年目の若木も摘果します!
4年目で結実はまだ早過ぎたのでしょうね(;_:)
(2019/9/1作成)
つづく